オグドンのシューマン 「ピアノ協奏曲」

 今日は昨日紹介したオグドンのCDのカップリングになっているシューマンの協奏曲について書きます。こちらの演奏も、グリーグの協奏曲同様にオケとのバランスが非常に良い演奏だと思います。

 まず第一楽章。グリーグ同様に正統派の演奏という感じで真面目な演奏ですが、グリーグの演奏よりかはこちらの方がややロマンティックな感じでしょうか。グリーグの演奏よりもフレーズの歌わせ方や間のとり方などが強調されているような気がします。

 技巧的にも安定していていますが、聴きどころはピアノの独奏部分などに入っている叙情的なメロディーでしょう。例えば開始5分くらいのところらへんはものすごく繊細な弾き方をしていてムチャクチャ綺麗です。オグドンと言えばあの太くて分厚い和音をイメージしますが、こういう繊細な弱音も凄くうまいんですよね。その後の8分くらいのところとかも凄く綺麗です。

 そして第2楽章。これもまた美しい。オケとのバランスも良く、文句なしです。どうやらこの録音ではオグドンの弱音の上手さが目立ちますね。またベルグルントの指揮も非常にうまく、ピアノの邪魔をしないながらも結構メロディーを歌わせていて非常にまとまりが良いと思います。

 第3楽章はこれも技巧的な部分が目立つような演奏ではなく、オケとピアノのバランスを重視した感じの演奏だと思います。ピアノに関して言えば、高音部の粒立ちの良いパッセージが印象的です。オグドンはヴィルトゥオーゾとして認識されていますが、残された音源の出来映えにはかなりムラがあり、特に速いパッセージを弾くときに音がダンゴになるということがしばしばあるのですが、この録音ではそんなことはなく、技巧的にも非常に安定しています。

 というわけで、曲全体的にピアノとオケのバランスが非常に良く、特にオグドンのピアノは弱音が非常に美しいです。録音によるところも大きいかとは思いますが、間のとり方とかも絶妙で曲の良さをよく伝えていると思います。

 オグドンをテクだけのピアニストだと思っている方も多いと思います(こんな誤解を受けるにあたっては、オグドンにも責任があると思いますけどねw)が、そういう方にこそ一度聴いていただきたい演奏です。



Grieg/Schumann/Franc;Piano Con
Unesco
1996-02-14
Philharmonia Orchestra


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